パーソナリティ障害とは?タイプの解説と対応法を紹介
パーソナリティ障害は、仕事を行なうことが困難なほど本人にとって苦しいものです。一方で、周囲の人たちからすると一緒に仕事をすることが難しいと感じる場合も多いようです。
本記事では、パーソナリティ障害の特徴とタイプおよびその対応法について紹介しています。
パーソナリティ障害とは?障害の原因と種類
パーソナリティ障害とは?
かつては人格障害とも呼ばれていたパーソナリティ障害は、認知・行動の著しい偏りのために、本人にとって苦しみがあるほか、周囲にも苦痛がもたらされてしまうケースもあります。
パーソナリティ障害は気分や感情の起伏が激しく、精神的にも不安定な状態であり、強い苛立ちがゆえに冷静さを失っているような場合もあるといわれています。
また、融通が効かない特性や苛立っている様子から、パーソナリティ障害は「性格が悪い」と受け止められてしまうことが多い傾向にあります。
パーソナリティ障害の要因
パーソナリティ障害には「気質・遺伝的要因」「生育環境的要因」「社会的要因」の主に3つの要因があると考えられています。
気質・遺伝的要因:もともとの気質および遺伝に要因があると考えられていますが、遺伝については研究途上であるため、解明されていない部分も多いといわれています。
生育環境的要因:生まれ育った環境や家族との関係によって人格は形成されますが、虐待等を理由に、そこにパーソナリティ障害の要因となるケースもあります。
社会的要因:社会生活を営む上でも人格が形成されます。社会生活を営む中で、犯罪被害や事故・病気・災害等の経験がパーソナリティ障害の要因になることもあります。
パーソナリティ障害の発症時期と3つの種類
パーソナリティ障害は一朝一夕で発症するものではありません。
主に思春期を境に人格や個性は大きく変動するため、青年期から成人期の初めまでにパーソナリティ障害の傾向が現れるものだと考えられています。
またパーソナリティ障害には主に次の3つのタイプに分けられると考えられています。
- 奇妙で風変わりなタイプ(例:統合失調型、妄想性など)
- 感情的で移り気なタイプ(例:境界性、自己愛性、非社会性、演技性)
- 不安で内向的なタイプ(例:依存性、回避性、強迫性)
職場におけるそれぞれの性質への対応については、次の項目で確認しましょう。
職場で注意したいパーソナリティ障害の性質と対応
境界性パーソナリティ障害:境界性パーソナリティ障害の特徴は、「感情の変化が激しく、周囲がついてけない」「自殺の素振り・自傷行為」というものが挙げられます。
対応策としては、周りと同じような対応をすること、(人を試そうとする行為が多いため)振り回されない、といったことが挙げられます。
自己愛性パーソナリティ障害:自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、「自分には才能が有り、特別な人間だと信じている」「恥をかいたらカッとなり、激昂する」というものがあります。対応策としては、その人のプラスの貢献を褒めることや、(否定的な意見を述べる場合には)成し遂げたことを見つけて伝えることです。
依存性パーソナリティ障害:依存性パーソナリティ障害の特徴は「自分で決断ができない」「過度に周囲の人を頼る」といった特性があります。そのため、信頼していることを伝えたり、与えた仕事が出来たら褒めるなど、自信を持たせることが大切です。
強迫性パーソナリティ障害:強迫性パーソナリティ障害の特徴は「こだわりが強い」「完璧にこだわる」という特徴が挙げられます。対応方法としては、完璧である必要は無いことを伝え続けること、プライベートを犠牲にしないようしっかり休むことを伝えます。
パーソナリティ障害の回復を目指すには
パーソナリティ障害は回復を期待することができますので、自身が苦しい状況であれば早めに専門科を受診することが大切です。
精神療法や投薬療法によって、症状の緩和や治療を行います。
また、周囲の人の接し方については、負担にならないようにし、特別に構える必要はありません。
他の人と同じようにコミュニケーションをとり、過剰な反応が見られる場合には、刺激を与えないようにすることや、調子が悪そうな際はいたわる等が挙げられます。