リワークプログラムとは?復職支援の内容と施設を紹介
近年、注目が高まるリワークですが、そのプログラムと復職に向けた支援内容はどのようなものでしょうか。本記事では、一般的なリワークプログラムおよび復職支援の内容と、リワークを受ける施設について紹介します。
リワークとは?プログラムと受講可能な施設について
リワークとは、復職に向けたプログラム等のこと
リワークとは、「Return to work」の略語です。
うつ病等のメンタルヘルス疾患をはじめ、何らかの理由で休職している方を対象にし、復職に向けた各種の支援のことをリワークプログラムといいます。
リワークプログラムが重要視される背景には、職場復職後の再休職を防ぐことや、定着率の向上に期待されているからです。
リワークプログラムの内容は、支援を行なう機関により様々ですが、近年ではオンラインでリワークプログラムを提供しているところもあります。
リワークプログラムが受けられる主な施設・機関
次に、リワークプログラムが受けられる施設についてです。リワークを実施している施設は大きく分けて次の3つがあり、それぞれに特長があります。
① 医療機関リワーク施設
医療機関が運営しているリワーク施設。投薬等の専門的な精神科治療を受けながら復職に向けたプログラムに取り組みます。
また、作業療法や精神療法などに取り組む事でリハビリテーションを行ないます。
②地域障害者職業センター
地域障害職業センターは、(独)高齢・障害・休職者雇用支援機構が運営するリワーク施設です。各都道府県におよそ1箇所のセンターがあり、公務員は使用することができません。
③就労支援移行リワーク施設
ヘルスケア事業者などが運営するリワーク施設。全国各地に施設が展開されている場合が多いため通所しやすい。再休職を防ぐ定着支援等、サポートが充実している施設も多いといわれています。
大きな違いとして、医療機関リワーク施設には医師・看護師といった専門スタッフがいるため、体調が悪くなった場合に速やかな対応が行なえる点です。
一方で、地域障害職業センターや就労支援移行リワーク施設では、職場復帰に向けたリハビリ・訓練が中心となります。
リワークプログラムとは?内容とメリットについて
リワークプログラムとは、復職に向けたリハビリのこと
リワークプログラムとは、職場復帰を目指した活動を行なうだけでなく、復職後の再休職を防ぐための、いわばリハビリのことです。
リワークプログラムでは、回復に向けた生活を送りつつ、リワーク施設において復職に向けた訓練を行なう中で自分の特性への気づき、再休職を防ぐ仕組みがあります。
また、リワークプログラムの主な内容は以下のものが挙げられます。
リワークプログラムの主な内容
・自己分析:自身の特性やストレス耐性等について知る
・アサーション:相手の感情を尊重し、適切な自己表現を身につける
・認知行動療法:自身の物事の捉え方・行動・思考パターンに気づきストレスを軽減
・グループ活動:レクリエーション等を通じ集団行動に慣れる
・オフィスワーク:作業を通じて集中力を養う
・心理教育:メンタルヘルス不調に関する理解を深める
リワークプログラムのメリット
リワークプログラムを受けることには、様々なメリットがあります。
ひとつは、職場復帰後のうつ病の再発や再休職を防げることです。
診療の結果のみでは復職の判断がなかなかつかないような場合であっても、リワークプログラムの経過状況から、具体的な判断が可能になると言われています。
これは、主治医による「症状が回復した」というレベルと、「再発せずに就業が可能(復職準備性)」というレベルが異なるためだとされています。
リワークプログラムでは、各種の活動の中で復職準備性を確認することができるため、うつ病再発や再休職の防止に繋がります。
リワークプログラムを受ける際の注意点
リワークプログラムを受けられるかどうかについては主治医に判断してもらいましょう。
リワークプログラムを受けるには、体力が回復していることや、うつ症状がある程度安定していることが必要だといわれています。
また、リワークプログラムは3か月~半年、長い場合には1年以上の期間が必要になることもあり、その人や症状によって様々であることに注意します。
よって、決して焦らず、自身のペースでリワークを進めて行くことが大切です。